aiko、約半年間にわたって駆け抜けたライヴハウス・ツアー「Love Like Rock vol.10」完走。オフィシャル・レポート到着
aikoが約半年間にわたって開催してきたライヴハウス・ツアー「Love Like Rock vol.10」の正真正銘のツアー・ファイナルが、4月10日 Zepp Fukuokaにて開催された。本ツアーは、本来3月29日にZepp Osaka Baysideにてファイナルを迎える予定だったが、昨年2024年12月5日に開催予定だった福岡公演が延期となり、その振替として4月10日に開催されたZepp Fukuoka公演が本当のツアー・ファイナルとなったもの。「遅くなってしまい本当にごめんなさい。後悔しないように一分一秒を大切に、愛することを誓います。今日来てくれた皆さんがこれから始まる時間を楽しく過ごせますように。一生懸命頑張ります」と語り臨んだ「Love Like Rock vol.10」。気合と熱気に満ち溢れた本当のツアー・ファイナルの模様を振り返る。
赤い緞帳と花道。aikoを象徴とするような会場の仕様を目にし、これから始まる熱気を帯びた熱い時間に胸が高揚する。aikoの登場を今か今かと待ち侘びるファンで埋め尽くされた超満員の会場は、ライヴ開始前からすでに熱気に満ち溢れており、ライヴを終えた後に全てを出し切り汗だくになるのが約束された空間が開演前からすでにできあがっていた。暗転し、鼻歌と街中の雑踏音が会場に響き渡ると、即座に会場中にざわめきが広がる。なんと最初に披露されたのはライヴの2日前にリリースされたばかりの新曲“カプセル”であった。リリース直後ということもあり、本公演がライヴ初披露となったが、振替公演がこの日であったからこそ初めてライヴで聴くことができた特別な瞬間であったことは言うまでもない。出だしから力強く伸びやかな声で、この壮大な楽曲“カプセル”を歌い上げると、サビで登場する「逢いたくて/死にそう」という歌詞が、今日この会場に振替公演として再び集まることが叶ったファンや、今回惜しくも来ることができなかったファンへ、aikoからの思いが詰まった言葉となっているようにも感じた。
“カプセル”を歌い終わり、「大変お待たせしました! aikoです。今日はよろしくお願いします!」と勢い良く挨拶すると、大歓声に包まれながらすぐさま次の曲“アンコール”へ。aikoのライヴの代名詞とも言える「アンコール」がタイトルとなった本楽曲からはブラス・メンバーが登場。ミディアム・テンポながら溌剌とした小気味よいサウンドが一気に会場を明るく照らし、思わず身体も縦ノリになっていく。続けて披露された“ライン”は“アンコール”とは打って変わってクールなバンド・サウンドが縦ノリを加速させる。照明も赤やピンクを基調とした演出に変わり、赤いピンスポットに照らされたaikoには、「Love Like Rock」ならではのオーラが漂っており、すでに圧倒される印象も感じる。豪快なバンド・サウンドが特徴でありながら、そのバラエティに富んだセットリストやライヴ・アレンジが聴き手を全く飽きさせない本ツアーでは、今日の前半戦からも様々な景色を見せてくれた。
“ライン”の後に披露された“傷跡”は、原曲も軽快な3拍子のリズムとジャジーなサウンドメイクが特徴的な楽曲だが、今日披露されたアレンジも至高なものに生まれ変わっており、ソロ・パートのサックスとギターの掛け合いは、aikoバンドを支える一流ミュージシャンの共演としても見応え満載となっていた。その後“あたしのせい”を続けて披露し、再び軽快なリズムを奏で会場からはクラップが沸き起こると、この日最初のMCでaikoは、「遅くなってしまい本当にごめんなさい。今日は来てくれてありがとうございます。風邪をひいて振替になってしまい、ようやく福岡でできて、皆さん来てくれてありがとうございます」と話すと、「後悔しないように一分一秒を大切に、愛することを誓います。今日来てくれた皆さんがこれから始まる時間を楽しく過ごせますように。一生懸命頑張りますので最後までよろしくお願いします」と振替公演となってしまったお詫びと、今日にかける思いを口にして、最後の1秒までファンを楽しませ続けることを誓った。
続いて披露された“鮮やかな街”では、ステージ後ろのバック・モニターに映し出された歌詞がこの曲の世界観を彩る。モニターの映像やオレンジ色の照明によって視覚的にも「鮮やか」に演出されたことによって、まるで夕焼けの街の中に溶け込むようなノスタルジックな感覚を味わうと、続けて披露された“願い事日記”、“シネマ”のような情緒豊かな楽曲が並ぶこのセクションは、aikoが描く歌詞の世界がまるで1本の映画になって届けられたかのような美しい情景が眼前に広がっていた。
「“カプセル”リリースおめでとう! 「カプセル」の由来が知りたいです」とファンからの質問を受け取るとaikoは、「(初めてのライヴでの披露で)めっちゃ緊張しました。“カプセル”という曲は、人と人って全部重なり合うことができないから、同じ気持ちにはなれないけど、自分の気持ちとしてこういう感情があったことを閉じ込めたくて「カプセル」というタイトルにしたんだと思います。そんなイメージでした」と楽曲名の由来について語る場面も。その後、“blue”、“問題集”、“サイダー”、“食べた愛”を披露し、しっとりとした楽曲からロック・サウンドが輝き、爽やかで情感豊かな楽曲まで、まるでジェットコースターのように聴き手の感情を揺さぶっていく。
aikoのライヴは、バンド・メンバーやファンとの絡みも毎回の見どころの1つであり、この日のライヴでは、長年aikoのライヴを支え続けてきたキーボードの佐藤達哉との絡みの中で、再び“食べた愛”を即興で披露するイレギュラーな場面も。このように予定調和なストーリーがなく、いつどこのタイミングでどんなステージになるか分からないこのドキドキ感がaikoファンの心を掴んで離さないのだろう。
和気藹々なお楽しみの雰囲気の後に披露されたダンサブルなチューン、“星の降る日に”でミラー・ボールを回しながら会場の雰囲気を一気にライヴの雰囲気に戻すと、“まさか夢”、“プラマイ”、“skirt”とアップテンポな楽曲を立て続けに披露してライヴの後半戦に向けて会場のボルテージを上げていく。“skirt”ではここまで2時間近いライヴを駆け抜けてきたとは思えない程の伸びやか且つ屈強なロング・トーンを披露し、観客の熱気は最高潮に。畳み掛けるように披露された“恋愛ジャンキー”では、メンバー紹介パートも織り込まれたライヴ・アレンジになっており、お馴染みの「男子! 女子! そうでない人!」のコールも飛び出すなど、これぞ「Love Like Rock」ならではの熱量に圧倒された。
「みんなで今日こうやって過ごせることができて良かったです。明日歌えなくなったり、ダメになるかもしれないと思う、ネガティヴな瞬間がたくさんあるんですが、ライヴをやってると今は頑張れるっていつも思います。(このツアーが)なくなったらどうなるんやろうなって今から不安で震えます。それくらい今回のツアーは大切でした」とライヴへの想いを語ると、「次の曲で最後の曲になるんですが……」という言葉に対して、すかさず会場からは「えー」といった落胆の声が広がる。「私がアンコールをすぐやる女だと分かってて優しい」と冗談混じりに返すと観客からは再び大歓声が。ここからがaikoの本域だと言わんばかりにまだまだ夢のような時間が続いていく。本編最後の曲は“君の隣”。サビの最後に登場する「ねえ このままそばにいて」、「ねえ 隣で歌わせて」という歌詞からも、まだまだ一緒の時間が続いていくことを約束してくれているかのようであった。
アンコールの声援に後押しされて再びaikoが登場すると、“相思相愛”を披露。アンコール最初の楽曲が“相思相愛”であるところが、ステージでファンとの時間を共有し続けたいaikoと、それをいつまでも望み続けるファンとの関係性を物語っているようであった。アンコール明けのMCで再びファンへの感謝を口にすると、続けて“なんて一日”、“好きにさせて”を披露した。しかし、aikoのアンコールはここからが本番。キーボードの佐藤達哉がマイクを振られると「これで終わりです。去年の10月からありがとうございました……んなわけねーだろ(笑)!」とファンを煽ると、aikoが「ではもう少し歌わせていただいてもいいですか? ありがとうございます!」とダブル・アンコールへ。すでに2時間半を超えるライヴを披露し続けてきたことを微塵も感じさせない。むしろここからが本編だと言わんばかりに、観客やステージ・メンバーのテンションも最高潮に。ダブル・アンコールの曲目は、ステージ上でaikoとメンバーの間で話し合われてその場で決まる。このライヴ感や即興感もaikoのライヴならではの楽しみの1つになっているのは間違いないだろう。
ダブル・アンコールの曲を決めている最中もaikoとファンのコミュニケーションは続く。会場に来た小さい子供と話をしてアメをあげるシーンもあったり、ファンからのいろんな声掛けに応じて一人一人との会話を真摯に行う姿は、まるで1対全員ではなく、1対1を全員と行っているようなそんな不思議な感覚に陥る。そんなaikoの姿勢に呼応するようにある1人のファンからは、「このツアーが終わっても俺たちとaikoのツアーは一生終わらないからな!」と熱い思いを口にされる一幕も。aikoは「そう思ってもらえるように頑張ります。みんなが美味しいな、いいな、かわいいな、面白いな、と思うものはいろんなお店に行けばいっぱいあると思うので、私のところに来てもらって私の音楽を聴いてもらえることはかけがえのないことです。これからも一生懸命頑張っていきたいなと思っています。結婚しようねと言って付き合ったのに別れることもあると思います。それと一緒なので、振られないように、みんなにいいところを見せられるように、ここからすごいライヴをやりたいと思いますので、ここからも楽しんでください!」と語りダブル・アンコールへ。
ダブル・アンコールでは、“メロンソーダ”、“愛の病”、“ジェット”、“ドライブモード”、“be master of life”、“beat”をノンストップで披露。ライヴ定番曲が並ぶ中、本編とは違ったアンコールならではの疾走感と高揚感がaikoのアンコールにはある。ダブル・アンコールを演奏し終わり、いよいよこの夢の時間が終了かと思いきや、むしろファンからの歓声と拍手が増すばかり。止まない歓声にaikoは、「いいんですか?」とトリプル・アンコールへの期待を口にする。「人生1回なので、今の自分の瞬間はこの1回しかなくて、こんなに歌える自分でいられるのも一生ではないと思うので、やれるところまでやりたいなと思います」と語ると「男子! 女子! そうでない人! 全員!」の掛け合いでトリプル・アンコールへ。“夢見る隙間”、“milk”、“ボーイフレンド”の3曲を熱唱した後に、3時間半、30曲に及ぶ壮大なaikoのショーは大団円を迎えた。
aikoは今後のツアー予定として、「aiko Live Tour「Love Like Pop vol.24.9」」の開催が決定している。「Love Like Pop vol.24.9」は今年2025年12月6日、7日の東京 国立代々木競技場 第一体育館と12月31日の大阪城ホールでのカウントダウン・ライヴの2ヶ所3公演となる。アリーナでのライヴは、2024年1月からスタートした「aiko Live Tour「Love Like Pop vol.24」」以来約1年ぶりの開催となり、2015年12月31日 大阪城ホールにて開催された初のカウントダウン・ライヴ「Love Like Pop vol.18~CountDown Live あっという間の最終日~」以来、10年ぶりとなる。チケット最速先行がオフィシャルFC「Baby Peenats」にて現在受付中となっており、「Love Like Rock」の興奮冷めやらぬなかではあるが、ツアー完走後すぐに次のツアーがあることに期待に胸を馳せて日々を過ごしていくことができそうだ。
▼ツアー情報
「aiko Live Tour「Love Like Pop vol.24.9」」
12月6日(土)東京 国立代々木競技場 第一体育館
12月7日(日)東京 国立代々木競技場 第一体育館
12月31日(水)大阪城ホール ※カウントダウン・ライヴ
[チケット]
全席指定 9,200円
■「Baby Peenats」先行:~5月6日(火・休)23:59
■「Team aiko」先行:5月15日(木)12:00~6月1日(日)23:59
■オフィシャル先行:6月13日(金)12:00~6月29日(日)23:59
■オフィシャル2次先行:8月19日(火)12:00~8月31日(日)23:59
■一般発売日:後日発表
▼リリース情報
aiko
46thシングル
『シネマ/カプセル』
4月30日(水)リリース
▼番組情報
TVアニメ「アポカリプスホテル」
毎週火曜1:34~ 日本テレビほかにて放送中
原作:ホテル銀河楼 管理部
監督:春藤佳奈
キャラクター原案:竹本泉
シリーズ構成/脚本:村越繁
オープニング主題歌:aiko “skirt”
エンディング主題歌:aiko “カプセル”
アニメーション制作:CygamesPictures
(C)アポカリプスホテル製作委員会
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース
掲載: 2025年04月16日 16:00