『新幹線大爆破』がリブート・リマスターで再注目!監督・佐藤純彌の歩んだ映画道
1975年公開の傑作パニック映画『新幹線大爆破』。時速80キロ以下になると自動的に爆発する爆弾が走行中の新幹線に仕掛けられてしまい、極限状態に陥った1500名の乗客や犯人と捜査当局の駆け引きを描いた伝説の名作だ。2025年になって本作のリブート版、リマスター版が続けて公開されることとなり、今、改めて世間の注目を集めている。
●現代に甦る!世界に誇る日本の名作『新幹線大爆破』
1975年版の『新幹線大爆破』は、主演を高倉健が務め、千葉真一、山本圭、宇津井健ら名優が勢揃いで出演している。熱狂的なファンも多く、一部ではカルト的な人気を誇ってきた作品だ。国内だけでなく海外での評価も高く、1994年のハリウッド映画『スピード』に影響を与えたことでも知られている。
同作の公開から50年となる今年は、ネガスキャンリマスターBlu-rayが10月に発売予定。さらに、Netflixでは4月からリブート版の配信がスタートした。監督は『シン・ゴジラ』で庵野秀明とともに監督を務めた樋口真嗣。キャストには草彅剛、のん、要潤、斎藤工ら豪華俳優陣が集結し、大きな反響を呼んでいる。
そんな注目を集める『新幹線大爆破』だが、1975年のオリジナル版でメガホンを握ったのが、ミスター超大作・佐藤純彌だ。主演の高倉とは『君よ憤怒の河を渉れ』でもコンビを組んでおり、なんと中国で8億人動員の超大ヒットを記録したこともある。最近では2005年の『男たちの大和/YAMATO』で監督を務め、同作は興行収入50億円超のヒット作となった。そのほか、『人間の証明』や『敦煌』の監督でもあり、多くの名作を世に生み出してきた巨匠だ。
佐藤のスタイルは、豪華キャストを起用し、莫大な予算を投じた大作映画の制作である。『男たちの大和/YAMATO』の総製作費は25億円にも上る。様々なジャンルで大規模作品を手がけてきたことが、佐藤が「ミスター超大作」の異名で呼ばれる所以と言えよう。
映画の世界にとどまらず、佐藤は音楽・作詞分野でもその才能を発揮している。中森明菜もカバーした『面影』や『非情のライセンス』などの楽曲で作詞を担当し、後者は自身のテレビ番組「キイハンター」の主題歌としても採用した。
2018年に惜しまれながら世を去った佐藤。彼の映画人生は、「映画監督 佐藤純彌 映画(シネマ)よ憤怒の河を渉れ」の一冊にまとめられている。ぜひ手に取って、「ミスター超大作」の足跡を追ってみてはいかがだろうか。
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掲載: 2025年05月21日 11:38